レビュー25
その39 『モアイの歩き方』(テレビ朝日)2006/10/28(土)13:55-15:25
◆オープニング
N「あなたは知っていますか?古代遺跡に隠された先人たちの偉大な英知の数々を。イースター島の巨大な石像モアイ、これは一体どうやって運ばれたのか? 五重塔が一度も地震で倒れたことがないのは、なぜなのか? 偉大な先人の知恵の数々に現代人が、そのすべてを賭けて挑みます!」
N「古代人への挑戦。ナビゲーターは、えなりかずき。現代人は偉大な先人たちの知恵に打ち勝つことはできるのか? 完全体験型知的エンターテイメント」
モアイの歩き方
古代人と知恵比べ!
現代人は勝てるのか?
ナレーター バッキー木場
◆1ST CHALLENGE
N「最初の挑戦は、巨石文明にまつわる謎。想像を絶する重さと大きさを持つ巨大な石を、古代人はどのように動かしたのか? その英知に挑むのは、この4人」
間寛平 細川茂樹 野口健 堀越のり
<略>
◆2ND CHALLENGE
N「次の挑戦は、地震大国日本ならではの先人の知恵。現代の高層ビルにも応用された、大地震をもしのぐ工夫とは? その英知に挑むのは、この3人」
石原良純 佐藤弘道 山本梓
<略>
◆3RD CHALLENGE
古代人と知恵比べ
象の体重を量れ!
N「続いて挑むのは、あの三国志に隠された先人の知恵。10歳の少年が導き出した、象の驚きの発想とは? その英知に挑むのは、この3人」
有吉弘行 ダンディ坂野 つぶやきシロー
N「かれらは先人の知恵を見つけることができるのか?」
◇テレビ朝日前
えなり「さあ、続いての挑戦者は、こちらのお三方です」
つぶやきシロー ダンディ坂野 有吉弘行
有吉「どうもよろしくお願いします」
えなり「よろしくお願いいたします」
有吉「なかなか集まらないですよ、このビックスリーは」
えなり「そうですね」
ダンディ「ビックスリーですから」
つぶやき「でも、集めようと思えば、すぐ集まります」
えなり「今日はあの有名な歴史物語『三国志』の中に出てくる、ある偉人の知恵に、皆さん挑戦していただきます。では皆さん、こちらのVTRをごらん下さい」
◇三国志
N「今回3人が挑む先人の知恵は、三国志のある伝説。『呉』(ご)の国の孫権(そんけん)が、『魏』(ぎ)の国の曹操(そうそう)に、あるモノを贈りました。それは『象』。初めて見る象の大きさに驚いた曹操は、家臣に象の重さを量るように命じたのです。大人たちが途方にくれる中、一人の少年が立ち上がりました。曹沖(そうちゅう)、10歳。なんと彼は、誰一人答えられなかった象の体重の量り方を、身の回りのものを使って言い表したのです。はたして、曹沖が考えた象の体重の量り方とは?」
えなり「さあ、ということで、あの天才少年、曹沖に挑戦。その現代人の代表となっております」
有吉「させないでよ、勝手に代表に」
えなり「決まりました」
つぶやき「なに、やれやるの?軽いな〜」
えなり「それを皆さんに考えていただきます」
RULE
3人で意見をまとめ ホワイトボードに画を描いて発表
発表できる回数は3回
実際に曹沖の考えた方法で 象を量ってもらいます
解説
理数系進学塾エルカミノ副学長 古庄(ふるしょう)歩先生
挑戦1回目
つぶやきシロー監修 「シーソー計測法」
天秤の原理を利用した量り方
古庄「残念です」
当時の材料では象の体重を支えることができないので不正解
挑戦2回目
有吉弘行監修 「アルキメデス法」
お風呂に「象を沈めて溢れた水の量ではかる
古庄「いい線いってますね」
大きさが同じなら重さの違うものを沈めても溢れる水の量は同じ
体積は量れるが重さは量れないので不正解
挑戦3回目
正解
1 象を舟に乗せる
2 沈んだところに目印をつける
3 同じ沈み具合になるよう石などを載せる
4 石の重さを量り合計する
5 象の重さ=石の総量
見事 正解を導き出した3人
3人に素敵なプレゼント
有吉「これ、開けちゃダメだ!(えなりが手渡した封筒を、床に放り出す) あぶねー感じがする!」
手渡されたのはタイ行きのチケット
えなり「行ってらっしゃい」
タイで曹沖の象の量り方を実証!
果たして本当に量ることができるのか!?
一路 象の国タイへ
◇バンコク BANGKOK
N「首都バンコクへ降り立った3人はというと、ここぞとばかりにタイ名物の屋台でビールとごはん」
そこへ、現地の人が手紙を持って来ます。
有吉「(読む)『必要なものは用意しておきました。がんばって曹沖の方法で象が量れるか、実証して下さい。えなり。追伸、あまりハメを外さず真剣にやって下さい』 もう外してるよ!ハハハハー(笑)」
まだ3人は実証の大変さに気付いていなかった
◇アユタヤ AYUTTHAYA
N「えなり君の指示した場所は、首都バンコクから車で1時間半の古都アユタヤ。世界遺産の擁する風光明媚な景色から…とんと外れた、ある川のほとり」
地図を片手に歩く3人。
有吉「このへんですよ、このへん」
つぶやき「このへんかな〜」
ダンディ「誰もいない、犬しかいない」
有吉「ほらほら、なんかひらけた。象、量りますよ、みたいな感じじゃないですか」
つぶやき「舟あるね」
N「川には意味ありげな一艘の舟。しかし、肝心の象がいない。と、そこへ」
「あ、来た来た!」
「デカっ!」
N「象の登場!のっしのっしと現れたのは、今回の実証に協力してくれる象のビック君、9歳と、パートナーの象使いのダムさん」
ダムさんを乗せて象のビック君登場。
つぶやき「わっ、なんか恐え〜」
有吉「これ舟、乗る?」
つぶやき「乗るかね〜。どうやって量んのよ」
有吉「とにかく舟、乗せてみましょうよ」
◇象を舟に乗せる
N「さて今回の実証、ビック君の重さを量るのは長さ10メートル、幅3メートルの舟。どれだけ沈んだかを量るために、舟の両脇に目盛りを取り付けました。さあ異国タイの地で、三国志の伝説を実証です!」
陸地から舟へと渡した板は、普通に人間用です。象はあまりに大きいため、象の重さで板が壊れそう。それを知ってか、なかなか象が足を踏み出しません。
つぶやき「だから割れにくい所を探して歩いている」
ダンディ「なるほど」
つぶやき「頭いいねー。舟、不安定じゃないの?大丈夫なの?」
有吉「わ、その一歩、勇気要るなー」
N「早速、問題が発生。ビック君がなかなか舟に乗ってくれません。ついにはとうとう後ずさり」
ダムさん「固定しないとダメだね」
N「象はとても頭がよく慎重な動物。揺れる不安定な舟を固定しないと、乗ってくれないのです」
有吉「体重、量ってくれって言われただけだからね。乗せ方なんて知らないもん」
N「途方に暮れる3人に、またしても封筒が。すべては、えなり君のてのひらの上なのか」
つぶやき「えなり君はこういうやり方、好きね。(読む)『こんなやり方はどうですか。やっぱり思いつかなかったですね』」
N「そこには、象に安心して乗ってもらうための舟の固定方法が! ということで指示書に従って作業開始。地元の人たちにも手伝ってもらいました」
N「えなり君からの指示で最大のポイントは、ロープを舟に一周させて岸から引っ張るというもの。すると、舟は周りのクイに固定されて揺れが収まるのです」
N「最初の失敗から2時間、実証再開!つぶやきとダンディはロープを引っ張り、舟の揺れを抑えます。そして有吉は、舟の向こう側で目盛りを読む係り。果たしてこれで象のビック君は舟に乗ってくれるのでしょうか!?」
つぶやき「来た来た、がんばれ!」
有吉「引っ張って引っ張って!」
つぶやき「ビビってるかな。来た!お、片足ついたんじゃない。あ、知ってるよ。すごいね、この映像」
有吉「すごい!」
つぶやき「乗った!」
ダンディ「乗ったぞ!」
◇舟の沈み幅を量る
N「無事、舟に乗せることに成功!第一の難関をクリア!次は沈み幅を量ります」
つぶやき「量れる量れる。あん中、入って。下のところ。マイク外してね」
舟に向かうダンディ。
有吉「そっち何センチですか?」
ダンディ「今ね…」
N「非常に不安定な中、何とか目盛りを読みます」
ダンディ「こっちがね、今、つぶさん、26センチぐらい。…25センチになった」
有吉「今ね、9センチです、こっち。…10」
つぶやき「もうちょい平均にならないかな」
舟の上の象を移動させて舟のバランスをとります。
16センチ! 平均16センチ!
つぶやき「よし、16センチです!覚えておこう」
N「二つ目の難関、沈み幅をほぼ均等に量ることに成功!ビック君も無事、舟を降り、みんな安堵の溜息と拍手」
◇舟に人を乗せる
N「さあ続いて、重い石の代わりに、えなり君が集めたくれた地元の方々に、先ほど沈んだところまで舟に乗ってもらいます」
有吉「じゃ、つぶやきさんが指示をして」
N「ここにきてチームワークもかなりよくなってきた3人。有吉とダンディが目盛りを量り、つぶやきが地元の人を誘導します」
つぶやき「じゃ、こちらのかたから。はい、じゃどんどん続いて行って下さい。どんどん行きましょう。詰めてって下さい」
N「どんどん舟に乗り込んでいく地元の人々。徐々に舟が沈んでいきます。象の体重は一体、何人分なんでしょうか?」
67人! 67人で16センチ
象の予想体重は67人分
つぶやき「だから、この人ら、このまま荷物持ったまま体重計で量ってもらいます」
◇人の体重を量って合計する
N「理論上は、この67人の方々と象の体重が同じというわけです。最後に体重を一人一人量り、合計していきます」
ダンディ「では一人目のかた、どうぞ」
有吉「ゆっくりね」
ダンディが人を誘導し、有吉が体重計の目盛りを読み、つぶやきが電卓で合計していきます。
有吉「(目盛りを読んで)62.5」
つぶやき「(電卓叩いて)はい」
ダンディ「はい、ありがとうございます」
N「67人分の体重は、ビック君の体重と一致するのか。そして3人は三国志の伝説を実証できるのか!」
次々と人々の体重を量って合計していきます。こうしてついに最後の人です。
有吉「最後!」
ダンディ「67人目!」
有吉「84!すべて終了です」
つぶやき「おー、すごいねー」
N「さあ、いよいよ決着!答え合わせのとき」
つぶやき「(数字の紙を持っている)量りました。書いてあります。出しちゃいますか、これ」
有吉「ボク、悪くないと思いますよ」
つぶやき「オレも、いってると思うんだよねー。発表しましょう、象の予想体重、こちらです!」
ビックくんの予想体重
3.71t
つぶやき「だから、3710キロ。これ、あるでしょう」
有吉「これ、オレ、あると思うんだよ、ほんとに目盛りが一緒なわけですから」
つぶやき「この凝縮した感じかね」
ダンディ「合ってる合ってる」
有吉「67人の体重ですね」
N「タイの人々の暖かい協力で実現した三国志曹沖の象の体重の量り方、果たして実証できたのか!?」
◇正解発表
N「ビック君の体重は前もって象専用の体重計で測定してあります。そしてその数字は、象使いのダムさんが持っています」
有吉「じゃ、ダムさん、お願いします」
ビックくんの体重
3.5t
つぶやき「これ、いいよね!」
有吉「210キロしか違わないから」
N「微妙! さて、この210キロの誤差、正解と言えるのでしょうか?」
N「実は、タンカーも船体の沈み具合で、船に積んだ荷物の量を測定しているのです。日本海事検定協会技術部次長、福士美智幸(ふくしみちゆき)さんに話を伺ってみました」
福士「今回の沈み幅は、1センチあたり250キロ。通常、私どものトラストサーベイで誤差範囲はプラスマイナス1センチという見方からしますと、今回の計量の数値は、ほぼ正しいという見方ができると思います」
N「よって、正解と認めます!」
つぶやき「大成功!」
有吉「大成功大成功、大成功!」
一同、大拍手。
曹沖の象の量り方
見事実証成功!
ダンディ「やったー!」
つぶやき「ありがとうございます」
(2006/11/6記)
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