その時その時に思った事を
綴ってみました。
駄猫戯言〈だねこのたはごと〉3 | ||
昔…バックレました | ||
このところ家の周りを徘徊する奴に昼寝の邪魔をされて寝不足だ。 奴は俗に言う“春の猫”つまりサカってるわけ。 この年になって言うのもなんだが、俺だって♂の端くれ、こうアオアオ夜昼ず〜っと鳴き続けられると、さすがに威嚇の一つもしたくなる。 ま、美猫に付いて行きたくなる気持ちもわからんじゃないが、振られた時は出直した方がいいぜ、若いの! そういや〜俺が一才になる前だったな、網戸破って夜の縄張りパトロールにでたら、真っ白な♀とばったり…。 キレイなお姐さんは好きですかって? 大好きです! で、付いて行っちゃたんだ。二階の雨戸開けて書・U・記のオバハンが叫んでるけど、知ったこっちゃねえよ。 一晩楽しく遊んで朝帰り。そしたらウチの雨戸が全部閉ってる。二階の窓も鍵がかかってる。 こんな朝早くから家族そろって何処いったんだ? そしたら縁側の下に餌と水が…。こんな処に食い物置かれた事がない…喰ったよ、腹へってたから。 昼寝してれば帰ってくる… 起きてパトロールに出る。 一応家族探さなきゃ…ちょっと遠くまでいってみる。 夜になった…戻ってみたら餌がデカイ奴に横取りされてた。 頭きたから喧嘩した。 そしたら水飲みひっくり返された。 明日になればきっと帰ってくる、そしたら新しい餌ときれいで冷たい水がもらえる。 部屋の中でゆっくり、たっぷり喰うんだ…だから我慢した。 でも次の日も、その次の日も誰も帰ってこなかった。 腹減った。喉かわいた。 捨てられたんだと思った。 とりあえず水を探しに水の匂いのする方へ行ってみた。 で、次の水場、次の狩場…何処行っても誰かの縄張りだったから長居はできなくて。 犬も怖かった。 車に追いかけられて大きな通りを渡った。 丘を越えて歩き続けた。 もう家がどっちだか判らなくなっていた。 背骨が浮き出るまで痩せて毛も擦り切れた。 日陰を探してウロウロしてたらお婆さん猫がうまそうに餌を食べていた。 身体低くして側に寄って行ったら黙って餌を分けてくれた。 水も飲ませてくれた。 このところずーっとエアコンから出る水ばっかりだったからおいしかった。 (この年はタイ米騒動がおきたほどの日照りで水不足の夏だった) 居心地がいいので、ここでしばらくフラフラしてた。 そしたら、婆さん猫の飼い主がオイラの首輪についている迷子札に気づいてくれたんだ。 で、電話連絡→手土産持参で書・U・記のオバハンが飛んできた。 もう、オイラ抱きしめてワンワン泣くの…だっせえなあ。正直いうとオイラ飼い主の顔忘れてたんだ。 だって放浪一ヶ月だぜ。 覚えてられっかよ! 猫なんだからさ。 「京都旅行に行く前の夜に逃げてしまいまして…一週間分の餌を置いていったんですけど…」 通報してくれた人にクドクドと言い訳するオバハン。 これ以降遠出する時は犬猫病院に預けられるようになりましたとさ。 メデタシ、メデタシ。 |
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